唐代 銅造菩薩立像 貞観三年
¥ 250,000 税込
商品コード: cb041
唐代の銅造菩薩立像の逸品です。
全体は一鋳です。
総高18㎝の小金銅仏の名品です。
小さめの頭部と長身痩躯の像容です。
腰を幾分捻じ、右脚を遊足にとったお姿は優美ですらあります。
お顔は一見目鼻立ちが凛々しさを感じさせますが、古式微笑(アルカイック・スマイル)を湛えたとても優しいお顔をされています。
髪際(はっさい)には精緻な毛筋彫りが施されています。
宝髻(ほうけい)は高く、頭に戴く宝冠は日月文の上に、三っ輪で花弁を表現した独特な意匠です。
右手は屈臂して楊柳を持ち、左手には水瓶をお持ちです。
天冠帯は左右耳後ろから垂下し、右端は右腕の臂下で跳ね、左端は左手の水瓶の後ろまで延びています。
胸飾の瓔珞(ようらく)は鏨(たがね)の連点文で立体的に表現されています。
瓔珞は左肩から体躯前面を斜めに横切り、腰下で繋がり左右に分かれます。
天衣(てんね)は体側に沿って垂れずに、優美な曲線を成して、リズミカルに流れ足元に落ちて、蓮台横で少し跳ねて端は魚鰭状に表されています。
この天衣と冠帯の曲線がこの仏像に比類ない華やかさを表出しています。
菩薩の立つ蓮華座は請花(うけばな)と反花(かえりばな)からなります。
蓮華座の下にし四脚座がございます。
唐草文の線刻された宝珠形頭光(ずこう)の裏面には以下の願文が刻されています。
【大唐貞観 三年九月廿六日 佛弟子賈子寛為亡 故造佛像壱軀 七世先亡現存 眷属一時成佛】
年記の貞観(じょうがん)は、中国唐代の太宗の治世に使われた元号で貞観三年は西暦629年で、日本に於いては舒明天皇の治世にあたります。
このような小像で、面積が少ない光背(頭光)に、年記のある願文が鏨(たがね)で精緻に刻されているのはとても珍しく希少です。
このお品は、某芸術大学教授の収集品でありましたが、ご親族のご依頼により、出品させて頂いております。
作品サイズ・高さ18㎝ 幅6㎝ 奥行4㎝ 重量350g 箱あり