金銅弥勒菩薩半跏像 朝鮮三國時代
¥ 390,000 税込
商品コード: kg055
韓半島三国時代の金銅仏の名品です。
半跏でうつむき加減に思索にふける思惟相をと弥勒菩薩像です。
頭上には三山冠(蓮花冠)とも云える宝冠を戴いています。
冠の表面には装飾がなく、シンプル且つ強い印象を漂わせています。
このような形式の宝冠は、インドや中国の菩薩像ではほとんど見られないものです。
凛々しい顔貌で眉毛の線は長く弧を描いて鼻梁に繋がります。
切れ長の眼は、目尻がやや上がって理知的な印象を漂わせています。
しかしこの印象を抑えるかのように端正につぐんだ口元は、かすかに微笑をうかべるお顔に神秘的な神々しさを与えています。
裸の上半身は胸の筋肉が若干浮き立っていますが、腰がくびれており女性的な体つきです。
頸には三本線で四道が表され、胸前に二重の瓔珞(ようらく)をお付けになっています。
右側の頬に当てている指は、しなやかな動きを表現して秀逸です。
これと対称的左膝上にのせた右脚は力強く生き生きとした印象を加えています。
半跏思惟像の造像においてとくに難しいのは右腕の処理と云われています。
右腕は膝上で曲げて頬に再び触れなければならないので、デフォルメされた長さに表現されることが殆どです。
しかし本像では、右側の膝を上に僅かに上げ肘を支え、その腕もまた斜めにわずかに曲げた指で頬に触れようとしており、緻密な力学的構成を見せ、バランスがとれています。
膝下の自然な衣文は精緻に表され、裳裾にまで微風にそよぐ生動感が与えられいるようです。
楊座(とうざ)両脇に垂らされた石帯(腰紐)には、円形装身具も表現されています。
下裳(裙)はひじょうに厚みを感じさせ像全体に安定感を与えています。
調和と均衡がとれた形と優雅かつ洗練された彫刻技術からして、当方では百済の作と推定しています。
像全面には鍍金がよく残っています。
名品の香りが致します。
作品サイズ・高さ 23㎝ 台座幅 11.2×8.5㎝ 重量 1.2kg 銅造鍍金 箱あり