李朝青花山水文瓶
¥ 550,000 税込
商品コード: kp132
李朝青花山水文瓶の名品です。
口の広さと上胴の丸みに対して、下胴がせばまっているので、壷の形は引き締まって見えます。
上胴の丸くおおらかな曲面に、大きめの稜花形の窓枠を二重に作り、その中に瀟湘八景と思われる山水文を三面に描いています。
瀟湘八景(しょうしょう はっけい)とは、中国の山水画の伝統的な画題で、洞庭湖に流入する瀟水と湘江の合流するあたりを瀟湘と云い、いにしえより風光明媚な水郷地帯として知られています。
また、中國戦国時代の屈原が彷徨い、漁夫と人生を問答し、山川の神々と交感した地でありました。
この画題はしだいに東アジア各地に伝播し、朝鮮や日本で盛んに画かれるようなります。
今回のお品の窓絵は、それに影響を受けた山水図で構成されています。
李氏朝鮮の人々の心情にこの「洞庭秋月」の情景がしっくりと合致したと云うことでしょう。
一面は朧月(おぼろづき)をいただく遠山と、湖面に浮かぶ孤舟が描かれています。
崖の上の樹下で二人の高士(身分ある教養人の意)が語らっている情景が描かれています。
この高士は俗世間から離れた隠者でもあります。
近くの山は切り立っており、遠くに見える山嶺も、鉤勒法(こうろくほう)と没骨法(もっこつほう)とを巧みに使い分けて岩山の影が表現されています。
もう一面には大きな枝ぶりの松を主文として、岩上の高士と鶴が伸びやかな筆致で描かれています。
右側に漢詩がしたためられています。右から縦に【雨後清江 興囲□間白鶴】(□は判読不能)。
全体的に絵画的な山水文様が、自由闊な筆致で描かれています。
また、余白の空間処理も見事で、蕭条とした大自然の奥深さを見る者に感じさせてくれます。
コバルトの色は淡く、それが半光沢の白磁の釉膚とよく調和して、稀にみる端正で静謐な雰囲気を漂わせる名品です。
分院の作品です。
状態は良好で一期一会の作品と思います。
まさに名品の香りが致します。
このお品は、某芸術大学の教授の収集品でありましたが、ご親族のご依頼により、出品させて頂いております。
作品サイズ・高さ32㎝ 口径12.5㎝ 胴径26㎝ 高台径15.2㎝ 重量3.8kg 箱あり