龍泉窯 青磁刻花文皿
¥ 650,000 税込
商品コード: cp058
明代初期(15世紀)に焼かれた龍泉窯青磁皿の逸品です。
中国浙江省の龍泉窯で焼造された作品で、日本では古来より天龍寺青磁と呼ばれています。
天龍寺の呼称は、日本の室町幕府が明国と取り決めた勘合貿易により、天龍寺造営のために派遣した貿易船が、この種の青磁を大量に輸入した為につけられた名称であると伝えられています。
景徳鎮窯の染付磁器と同じ様式を備え、元代ならではの時代色を強烈に表現した天龍寺手の青磁は、元代後期の14世紀から明代中期の15世紀まで盛んに焼造されました。
砧(きぬた)青磁に次ぐ品質で、光沢のある濃い緑色の青磁釉がどっぷりとかけられているのが特徴です。
元時代から明時代初頭、景徳鎮窯において華やかな文様をあらわした青花や釉裏紅の大皿が作られ、高級な贈答品としてイスラム圏へ送られました。
龍泉窯青磁の大皿にも形や装飾にそれらの影響が強くみられることから、同じく輸出品として生産されたと考えられます。
今回のお品は元様式の流れを汲む堂々たる大振りの青磁刻花紋皿です。
見込み中央に向かって鎬(しのぎ)が削ってあり、メリハリが効いています。
どろりとした青磁釉を掛けて、底に溜まった釉薬で草花文が浮かび上がってほのかに見えるのも上品です。
片切彫りにより見込には花文、その周りには、アラビア文字のような蕨(わらび)手文様が配されているのもひじょうに珍しく希少です。
釉調・紋様・高台作りのどれをとっても、明代龍泉窯青磁皿の特徴を備えています。
清澄な釉調の滑らかな肌や、色合いが大変魅力的な逸品でございます。
作品サイズ・直径26㎝ 高台径9.6㎝ 重量1,143g 箱あり